毎年9月下旬頃に、iphoneの新製品が発表されるため、この時期にこういった質問を受けることがあります。
結論から言いますと、iphoneの価額によって会計処理は異なります。
【iphoneの会計処理】
①10万円未満:消耗品費(全額経費)
②10万円以上~20万円未満:少額減価償却資産(全額経費)又は一括償却資産(1/3経費)
③20万円以上~30万円未満:少額減価償却資産(全額経費)
具体的に説明していきます。
【iphoneの値段】
iphoneの価額は、モデルやストレージによって異なります。
先日、福岡市にあるApple 福岡で確認したところ、
- iphone se/64GB/ 62,800円(税込)
- iphone 16 Plus/256GB/154,800円(税込)
- iphone 16 pro/1TB/249,800円(税込)
とのことでした。
【具体的な会計処理】
①iphone se/64GB/ :62,800円(税込)
10万円未満ですので、消耗品費として会計処理を行います。
②iphone 16 Plus/256GB/:154,800円(税込)
10万円以上~20万円未満ですので、少額減価償却資産又は一括償却資産として会計処理を行います。
~少額減価償却資産とは~
青色申告を行っている事業者は、30万円未満の資産について、年間300万円の範囲で全額経費計上することができます。
この特例を適用するためには、確定申告書に少額減価償却資産の明細を添付しなければなりません。
もし、消耗品費として会計処理をしてしまうと、顧問税理士が少額減価償却資産の存在に気付かず、この明細の添付を失念してしまう可能性があります。
そのため、「消耗品費」という勘定科目は使用せず、「少額減価償却資産」又は「工具器具備品」などの科目を使用することをお勧めします。
決算時に、税理士が「少額減価償却資産」を全額「減価償却費」に振り替えて経費計上します。
~一括償却資産とは~
一括償却資産とは、取得価額の1/3を3年に渡って計上する方法です。
例えば、令和6年に18万円のiphoneを購入し、一括償却資産として処理した場合、
令和6年:6万円経費計上(18×1/3)
令和7年:6万円経費計上(18×1/3)
令和8年:6万円経費計上(18×1/3)
と処理します。
③iphone 16 pro/1TB/:249,800円(税込)
20万円以上~30万円未満ですので、少額減価償却資産として処理します。
【おわりに】
今回ご説明した内容は、iphoneに限らず全ての資産(具体的には減価償却資産になります)に当てはまりますので、参考にされてください。
なお、iphoneを購入した期(又は年)に、「あまり経費計上したくないな」という事業者の方は、あえて、通常の減価償却を行うこともできます。